バドミントンのラケットの選び方 完全ガイド
―重さ・バランス・シャフト・ガットを図解
最終更新:2026年7月/これからバドミントンを始める人・買い替えを考えている人向け
「どのラケットを買えばいいか分からない」「Uとか3Uって何?」「高いラケットほど良いの?」——バドミントンのラケットは、重さ・バランス・シャフトの硬さ・ガット・グリップの5つの要素で性格が決まります。この記事では、それぞれが打ちやすさにどう影響するかを図つきでやさしく整理し、初心者・ジュニア・女性・ダブルスなど目的別のおすすめの選び方、値段の目安、よくある失敗までまとめました。はじめての1本を、後悔せず選ぶための保存版です。
1.最初に押さえる3つの前提
細かいスペックの前に、失敗しないための大前提が3つあります。ここさえ外さなければ、はじめての1本で大きく間違えることはありません。
- 素材はカーボン(グラファイト)製を選ぶ。1,000〜2,000円台のアルミ・スチール製は重くしなりも少なく、遊び用には良いですが本格的に続けるには不向き。体育館で続けるなら5,000〜10,000円前後のカーボン入門モデルが結果的にコスパ良好です。
- 最初は軽くて扱いやすいものを。重い・硬い上級者向けは「振り遅れる」「飛ばない」と感じやすく、上達の妨げになります。
- ガットが張ってあるか確認する。ラケットはフレーム単体(ガット未張り)で売られることも多く、その場合は別途1,000円前後で張ってもらう必要があります。「張り上げ済み」表記のモデルなら買ってすぐ使えます。
スペックに迷ったら、4U(軽め)・イーブン〜ヘッドライト・やや軟らかいシャフトを基準にすれば、初心者はまず失敗しません。
2.ラケットの各部の名前(図解)
選び方を理解するために、まず各部の名前と役割を押さえましょう。スペック表に出てくる用語は、ほぼこの部位のどこかを指しています。
ラケットの各部。フレーム=打球面のふち、ガット面(ストリング)=糸を張った面、シャフト=しなる棒の部分(硬さで打感が変わる)、グリップ=握る部分(太さはG表記)。バランス(重心)はこの全体のどこに重さが寄っているかを表します。
3.重さ(U)とグリップの太さ(G)
スペック表の先頭にある「4U G5」のような表記。前半のU=重さ、後半のG=グリップの太さを表します。どちらも数字が大きいほど「軽い/細い」と覚えると簡単です。
重さ(U表記)
Uはラケット全体のおおよその重さの区分です。数字が小さいほど重く、大きいほど軽い。重いほどパワーは出ますが振り遅れやすく、手首やひじに負担がかかります。軽いほど速く振れて扱いやすい反面、当たり負けすることがあります。
| 表記 | おおよその重さ | 特徴・向いている人 |
|---|---|---|
| 2U | 90〜94g | 重め。パワー重視の上級者向け。初心者には重すぎる |
| 3U | 85〜89g | やや重め。力のある人・スマッシュ重視・シングルス |
| 4U | 80〜84g | いま一番人気の標準。オールラウンドで初心者にもおすすめ |
| 5U | 75〜79g | 軽い。女性・ジュニア・素早い操作重視・ダブルス |
| 6U | 70〜74g | とても軽い。子ども・非力な人・とにかく振りやすさ重視 |
※g(グラム)はガットを張る前のフレーム重量が基準。実際は張り+グリップテープで数g重くなります。数値の範囲はメーカーにより多少前後します。
グリップの太さ(G表記)
Gはグリップの太さで、数字が大きいほど細い(G4=太い、G5=標準、G6=細い)。日本ではG5・G6が主流です。基本は細めを選び、オーバーグリップ(グリップテープ)を巻いて好みの太さに調整するのが定番。細いと手首を使いやすく操作性が上がり、太いと握り込みやすく力が伝わります。手が小さい人・ジュニアは細め、しっかり握りたい人はテープを1〜2重巻いて太くしましょう。
4.バランス=3タイプ(図解)
同じ重さでも、重心(バランスポイント)がどこにあるかで振り心地はまるで変わります。重心が先端寄りか手元寄りかで、大きく3タイプに分かれます。
▲印が重心(バランスポイント)の位置。ヘッドヘビーは先端寄りで遠心力が効きスマッシュ・攻撃向き。イーブンは中間でオールラウンド。ヘッドライトは手元寄りで軽快に振れ操作性・守備・ダブルス前衛向き。
ヘッドヘビー攻撃・パワー
重心が先端寄りで、振ると遠心力で力が乗り、スマッシュやクリアが飛ばしやすい。シングルスや攻撃型の人に向きます。反面、振り出しが重く感じ、ネット前の細かい操作や連続レシーブは少し大変になります。
イーブン(バランス型)オールラウンド
重心が中間で、攻守どちらもそつなくこなせる万能タイプ。「まだ自分のプレースタイルが決まっていない」初心者〜中級者は、まずここから入ると好みが見つけやすいです。
ヘッドライト操作・スピード
重心が手元寄りで軽快に振れ、ネット前や連続レシーブなど細かい操作がしやすい。ダブルスの前衛や守備型、素早さを活かしたい人、初心者にも扱いやすいタイプです。
5.シャフトの硬さ(フレックス)
シャフト(棒の部分)のしなりやすさも打感を大きく左右します。硬い/中間/軟らかいの3段階で表され、メーカーのスペックでは「フレックス」と書かれます。
| 硬さ | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 軟らかい | しなりで飛ばす。力がなくてもシャトルが飛び、楽に打てる。反発が返るまで少し待つ感覚 | 初心者・非力な人・ジュニア・女性 |
| 中間 | しなりと操作のバランス型。オールラウンド | 中級者・スタイル模索中の人 |
| 硬い | しっかり振れる人ほど力が伝わる。ブレが少なくコントロール性が高いが、力がないと飛ばない | 上級者・スイングスピードのある人 |
6.ガットの種類とテンション(図解)
意外と見落とされがちですが、ガット(ストリング)とその張りの強さ=テンションは、同じラケットでも打感を大きく変える重要要素です。テンションはポンド(lb)で表します。
テンション(張りの強さ)=低いほど飛ぶ
低いほどガットがよくたわんで反発が強く、力がなくても飛びます。高いほど面が硬くなり、飛びは抑えられますがコントロールと打球感が増します。「高いほうが良い」わけではありません。初心者が上級者向けの高テンションで張ると「飛ばない」と感じて逆効果です。
ガットテンションの目安。低ポンド=反発が強く飛ぶので初心者向け、高ポンド=面が硬くコントロール性が上がるので上級者向け。まずは19〜21ポンドから始め、力とスイングがついたら少しずつ上げるのが上達の近道です。
ガットの太さ・種類
ガットは細いほど反発が良く打球音も気持ちいいですが、その分切れやすいです(一般的な太さは0.66〜0.70mm前後)。初心者はまず0.70mm前後の標準的で耐久性のあるガットで十分。切れなくても2〜3か月で反発が落ちるので、久しぶりに「飛ばないな」と感じたら張り替えのサインです。
7.目的・レベル別おすすめの選び方
ここまでの5要素を、よくあるケース別にまとめます。「自分はどれ?」を見つけて、迷いを減らしましょう。
| こんな人 | 重さ | バランス | シャフト | テンション |
|---|---|---|---|---|
| はじめての1本(大人) | 4U | イーブン〜ヘッドライト | 軟らかめ | 19〜21 lb |
| ジュニア・子ども | 5U〜6U | ヘッドライト | 軟らかい | 18〜20 lb |
| 女性・非力な人 | 4U〜5U | ヘッドライト | 軟らかめ | 19〜22 lb |
| スマッシュを打ちたい・攻撃型 | 3U〜4U | ヘッドヘビー | 中〜硬め | 22〜25 lb |
| ダブルス前衛・スピード重視 | 4U〜5U | ヘッドライト | 中 | 22〜24 lb |
| オールラウンドに強くなりたい | 4U | イーブン | 中 | 21〜24 lb |
※あくまで一般的な目安です。最終的には試打や、部活・サークルの仲間・ショップ店員に握らせてもらって決めるのが確実。プレースタイルは続けるうちに変わるので、2本目で好みを反映するのが賢い買い方です。
8.やりがちな失敗と直し方
- 「高い=上手くなる」と思って上級者モデルを買う:硬く重く、初心者には扱いきれず飛ばない。→ まずは軽い・軟らかい入門モデルで基礎づくり。
- 1,000円台のアルミ・スチール製で始める:重くしならず上達しにくい。→ カーボン製を選ぶ(5,000円〜)。
- テンションを高くしすぎる:「全然飛ばない」の主因。→ 初心者は19〜21ポンドから。
- ガットが張ってあると思い込んで買う:フレーム単体だと打てない。→ 「張り上げ済み」表記か店員に確認。
- グリップの太さを気にしない:合わないと握力が消耗し操作も不安定。→ 細め+オーバーグリップで調整。
- 切れるまで張り替えない:2〜3か月で反発は落ちる。→ 「飛ばない」と感じたら張り替えのサイン。
ラケットが決まったら、次は「試合を記録して弱点を知る」番です。
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本記事は、バドミントンのスコア記録・分析アプリ「バドシート」を運営する TakeoriLab が、これから始める人・買い替えを考えている人向けに作成しています。ラケットに唯一の正解はなく、体格・筋力・利き手・プレースタイルによって最適な1本は変わります。まずは「軽さ」「イーブン〜ヘッドライト」「軟らかめのシャフト」「低めのテンション」という失敗しにくい基準で1本目を選び、続けながら自分の好みを見つけていってください。道具が手になじんできたら、試合を記録して弱点を知ることが、次の上達への一番の近道です。