バドミントンのガットのテンションの目安と選び方
―ポンド数・太さ・張り替え時期を図解/“正解の数字”がない理由まで
「バドミントンのガットは何ポンドで張ればいいですか?」——これは調べても答えがそろわない質問です。実際に初心者向けの目安を3つ調べたところ、16〜19/18〜20/19〜22ポンドと食い違い、3つすべてに入るのは19ポンドだけでした。このページは、その食い違いを隠さずに並べたうえで、先に見るべき「ラケット本体に印刷された推奨テンション」と、太さ(ゲージ)・張り替え時期の決め方をまとめます。
① 「初心者は何ポンド」は出典ごとに違う
まず、いちばん最初に知っておいてほしいことです。レベル別のポンド数の目安には、広く合意された1つの正解がありません。実際に公開されている目安を3つ並べると、次のようになります。
| 出典 | 初心者の目安 | 中級者 | 上級者 |
|---|---|---|---|
| A:バドミントン教室の解説 | 16〜19ポンド | 20〜24ポンド | 25〜29ポンド |
| B:バドミントン情報サイト | 18〜20ポンド | ―(属性別に記載) | ―(属性別に記載) |
| C:当サイト ラケットの選び方 | 19〜22ポンド | 22〜25ポンド | 25〜27ポンド以上 |
| 3つが重なる範囲 | 19ポンドのみ | 22〜24ポンド | 25〜27ポンド |
初心者向けだけで見ると、いちばん低い数字は16ポンド、いちばん高い数字は22ポンド。6ポンドの開きがあります。これは「どれかが間違っている」という話ではなく、体格・筋力・スイングスピード・使うガット・気温で適正が動くので、そもそも1つに決められないということです。だから、他人の数字をそのまま真似ても当たりません。
ちなみに出典Bのように、レベルではなく学年や年代で分けている目安もあります(小学生18〜22ポンド、中学生男子22ポンド前後、高校生男子24ポンド前後など)。分け方そのものが出典によって違う、というのがこの分野の実情です。
② 先に見るのは、ラケットに印刷された推奨テンション
レベル別の目安が当てにならないなら、何を見ればいいのか。答えは、あなたのラケット自身に書いてあります。
つまり、レベル別の目安よりも、メーカーが決めた範囲のほうが優先度が高いということです。推奨テンションはフレームの強度を考慮して設定された数字なので、これを大きく超えて張ると、フレームの変形やひび割れにつながります。さらに、範囲を超えた張り上げが原因の破損は、メーカー保証の対象外になる場合があります。
ジュニア用や入門モデルのラケットは、上限が低めに設定されていることがあります。「先輩が26ポンドだから自分も」と合わせると、ラケットの推奨範囲を超えてしまうことがあるので、必ず自分のラケットの表示を確認してください。
チェックの手順:ラケットのグリップ側ではなく、フレームの先端(剣先キャップ)の横を見てください。「20-28lbs」のように範囲で印刷されています。消えて読めない場合は、メーカーのカタログか商品ページで型番から調べられます。ラケット選びそのものは ラケットの選び方 完全ガイド にまとめています。
③ 低い/高いで、何が変わるのか
テンションはポンド(lb)という単位で表します。数字が小さいほど緩く、大きいほど強く張られている状態です。
| テンションが低い(緩い) | テンションが高い(硬い) | |
|---|---|---|
| 飛び | よく飛ぶ(反発が強い) | 飛びは抑えめ |
| コントロール | ぼやけやすい | 狙った所に止まりやすい |
| スイートスポット | 広い(当てやすい) | 狭い(芯を外すと弱い) |
| 必要な筋力 | 少なくて済む | 速いスイングが必要 |
| 向いている人 | 初心者・ジュニア・クリアが飛ばない人 | スイングが速く、球を抑えたい人 |
よくある失敗が、「強い人=高いポンド」だと思って、いきなり高テンションで張ってしまうことです。スイングスピードが足りないまま硬く張ると、クリアが奥まで届かず、ヘアピンも浮きます。飛ばない原因がフォームなのかテンションなのか分からなくなるので、上達の遠回りになります。
④ 結局どう決めるか(3ステップ)
- ラケットの推奨テンションの範囲を確認する。まずこの範囲の外には出ません。上限が26ポンドなら、26ポンドが自分の上限です。
- 範囲の中の「低め」から始める。初心者なら19〜21ポンドあたりが出発点として扱いやすい数字です(3つの出典が重なった19ポンドを含む帯)。ジュニアや、クリアが奥まで飛ばない人はさらに低めで構いません。
- 次の張り替えで、2ポンドだけ動かす。飛ばしにくければ下げる、飛びすぎて狙いが定まらなければ上げる。一度に動かすのは2ポンドまで。それ以上動かすと、何が効いたのか分からなくなります。
この「2ポンドずつ」というやり方なら、他人の目安が何ポンドであっても関係ありません。自分の体と自分のラケットに合う数字が、2〜3回の張り替えで見つかります。
⑤ 太さ(ゲージ)は0.61〜0.70mm
テンションと並んで打感を変えるのが、ガットの太さ(ゲージ)です。バドミントンのガットは、おおよそ0.61mmから0.70mm前後まであります。
細いガットは反発が良く、打球音も気持ちよくなります。そのかわり切れやすいのが弱点です。太いガットはその逆で、打感は少し鈍くなるかわりに長持ちします。
実際のラインナップを見ると、細いものは0.61mm、標準的なものは0.65〜0.68mm、耐久重視のものは0.70mmといった具合に並んでいます。縦糸と横糸で太さを変えたハイブリッドのガットもあります。
迷ったら0.66〜0.70mmの標準的な太さで十分です。とくに、月に何度もガットが切れる人が細いガットに変えると、出費だけが増えてしまいます。まず標準で張って、切れる頻度を見てから細くしていくのが安全な順番です。
⑥ 張り替えの時期と、切れやすくなる原因
切れなくても、3か月が目安
ガットは切れなくても少しずつ伸びて、反発が落ちていきます。普通に打った場合の寿命は、およそ3か月が目安とされています。「最近クリアが奥まで飛ばない」「打球音が鈍くなった」と感じたら、切れていなくても張り替えのサインです。
すぐ切れるときに疑う4か所
- グロメットの傷み……フレームの穴に入っている樹脂の部品です。ここが割れていると、ガットが穴の角に直接当たって切れます。ヨネックスも、グロメットが消耗するとストリングが切れやすくなると案内しています。張り替えのときに一緒に交換できるので、ショップで見てもらってください。
- ガットが細すぎる……0.61〜0.65mmのような細いガットは、同じ打ち方でも早く切れます。
- カット系ショットの多用……切る打ち方が多いと縦糸が横にずれ、糸どうしの摩擦で切れます。
- テンションが高すぎる……30ポンド近い高テンションは、ガットにもフレームにも負担がかかります。
季節も関係します。冬は乾燥と低温でガットが切れやすくなるため、寒い時期だけ少し下げる人もいます。「夏と同じ設定なのに冬だけよく切れる」なら、これが原因かもしれません。
⑦ よくある勘違い4つ
- 「テンションは高いほど上級者」→ 高い=上手い、ではありません。スイングスピードが足りないまま硬く張ると、飛ばなくなるだけです。
- 「レベル別の目安表が正解」→ 出典によって初心者向けだけで6ポンド違いました。目安はあくまで出発点です。
- 「切れなければ張り替えなくていい」→ 切れなくても伸びて反発が落ちます。目安は3か月です。
- 「1本切れてもまだ打てる」→ 張力のバランスが崩れ、フレーム破損の原因になります。切れたら速やかに外してください。
ガットを変えたら、結果はどう変わった?
得点・サーブの左右・デュースまでタップだけ。ミスの内訳や勝率の変化がグラフで見えるので、「張り替えて良くなったのか」が感覚でなく記録で分かります。
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Q. バドミントンのガットのテンションは何ポンドがいいですか?
「これが正解」という1つの数字はありません。初心者向けの目安として公開されている数字を3つ調べたところ、16〜19ポンド、18〜20ポンド、19〜22ポンドと食い違い、3つすべてに入るのは19ポンドだけでした。そのため、まずは19〜21ポンドあたりから始めて、飛ばしにくければ下げる、飛びすぎて狙いが定まらなければ上げる、という調整のしかたをおすすめします。動かす幅は一度に2ポンドまでにすると違いが分かりやすいです。
Q. ガットのテンションは高いほうがいいのですか?
高ければ良いというものではありません。テンションが低いとガットの面が大きくたわんで反発が強くなり、力がなくても飛びます。高いと面が硬くなって飛びは抑えられますが、コントロール性と打球感が増します。同時にスイートスポット(芯で捉えられる範囲)は狭くなるので、当てるのが難しくなります。初心者が上級者向けの高いテンションで張ると「全然飛ばない」と感じて逆効果になりがちです。
Q. ラケットに書いてある推奨テンションを超えて張るとどうなりますか?
破損の原因になります。ヨネックスは公式に、推奨張力を各ラケットに記載していること、推奨張力を超えた張り上げやフレーム原型を損なう張り上げは破損の原因となることを案内しています。推奨テンションはフレームの強度を考慮した数字なので、レベル別の目安より先に、まず自分のラケットに印刷されている範囲を確認してください。範囲を超えて張ると、メーカー保証の対象外になる場合もあります。
Q. ガットの張り替えは、切れていなくてもしたほうがいいですか?
したほうがよいです。ガットは切れなくても少しずつ伸びて反発が落ちるため、普通に打った場合の寿命はおよそ3か月が目安とされています。「最近クリアが奥まで飛ばなくなった」「打球音が鈍くなった」と感じたら、切れていなくても張り替えのサインです。また、ガットが切れたまま放置するとフレームにかかる張力のバランスが崩れてラケット破損の原因になるため、切れたら速やかに外してください。
Q. ガットがすぐ切れるのはなぜですか?
よくある原因は4つあります。1つ目はグロメット(フレームの穴に入っている樹脂の部品)の傷みで、割れているとガットが角に当たって切れます。2つ目は細いガットを使っていることで、0.61〜0.65mmのような細いものは反発が良い代わりに切れやすくなります。3つ目はカット系のショットを多用して縦糸と横糸がこすれることです。4つ目は高すぎるテンションで、フレームにもガットにも負担がかかります。冬は乾燥と低温でガットが切れやすくなるため、寒い時期だけ少し下げる人もいます。
Q. ガットの太さ(ゲージ)はどれを選べばいいですか?
迷ったら0.66〜0.70mmの標準的な太さを選んでください。バドミントンのガットはおおよそ0.61mmから0.70mm前後まであり、細いほど反発と打球音が良くなる代わりに切れやすく、太いほど耐久性が上がります。初心者や、ガットが月に何度も切れる人は太めが向いています。まず標準の太さで張って、切れる頻度を見てから細くしていくのが安全です。
関連ページ
この記事は、バドミントンのスコア記録・分析アプリ「バドシート」を運営する TakeoriLab が作成しています。推奨テンションに関する記載はヨネックス公式サイトの案内に基づきます。レベル別のポンド数の目安は出典によって異なるため、本文では実際に3つの出典を並べて示しました。ラケットごとの推奨テンションは製品によって違うので、必ずお手元のラケットの表示をご確認ください。