バドミントンのグリップ(握り方)完全ガイド
―基本の握り・バックの持ち替えを図解
最終更新:2026年7月/初心者〜中級者の上達向け
バドミントンで「クリアが飛ばない」「バックが打てない」「スマッシュが浮く」——その原因の多くは、実はラケットの握り方(グリップ)にあります。握りはすべてのショットの土台。この記事では、基本のイースタングリップ(包丁持ち)、バック側で使うバックハンドグリップ(サムアップ)、そして試合で一番大事な持ち替え(グリップチェンジ)を、握り方の断面図つきでやさしく解説します。初心者がやりがちな間違いと直し方、グリップの太さ・オーバーグリップの選び方までまとめた保存版です。
1.基本の握り=イースタングリップ(包丁持ち)
まず覚えるのはイースタングリップ、通称「包丁持ち」です。作り方はとても簡単。ラケットの面を床と垂直(縦)にして、そのグリップをまな板の上の包丁を握るように、あるいは人と握手するように持ちます。すると、親指と人差し指の間にできる「V字」がグリップの細い側面(角)にきます。これが正しい基本の握りの目印です。
グリップの断面(八角形)を上から見た図。フォア=親指と人差し指のV字が角にくる包丁持ち。バック=ラケットを少し回し、親指を平らな面に当てて押すサムアップ。この「ほんの少しの回転」を一瞬でやるのがグリップチェンジです。
面を寝かせてフライパンのように握るのは、初心者がやりがちですが基本ではありません(クリアが飛ばず、持ち替えもできなくなります)。
いちばん大事なのはラケット面の向き。面を地面と垂直に立てて握るのがイースタン(◯)。面を寝かせてフライパンのように握るのはNG(✕)。まずここを直すだけでクリアの飛びが変わります。
2.4つの握り方と使い分け
握り方にはいくつか名前がありますが、初心者がまず身につけるべきはイースタンとバックハンドの2つだけです。残り2つは「知っておく」程度で十分。まずは全体像を表で整理します。
| 握り方 | 面の向き | 作り方の目印 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| イースタン(包丁持ち) | 床と垂直(縦) | 握手/包丁持ち・V字が角 | 基本。フォアのクリア・スマッシュ・ドロップなど大半 |
| バックハンド(サムアップ) | やや回して縦 | 親指を平らな面に当てて押す | 基本。バック側の球・バックハンドクリア/ドライブ |
| ウエスタン(フライパン持ち) | 床と平行(寝かせる) | 上からフライパンを持つ形 | 初心者はNG。ネット前で瞬間的に使う程度 |
| パンハンドル | 面を正面に立てる | ドアノブを回すような形 | ネット前の速いプッシュなど一部の場面のみ |
イースタングリップ基本・フォア
すべての土台。フォアハンドで打つほとんどのショット(ハイクリア・スマッシュ・ドロップ・ロブなど)はこの握りから始まります。面が床と垂直なので、上からの強打で面をまっすぐシャトルに当てやすいのが利点です。
バックハンドグリップ(サムアップ)基本・バック
イースタンからほんの少しラケットを回し、親指を平らな面にそえて押す握り。バック側は手首の力が入りにくいので、親指で押して力を伝えるのがポイント。バックハンドのクリアやドライブ、バック奥のロブで使います。
ウエスタン(フライパン持ち)初心者はNG
面を床と平行に寝かせて、上からフライパンを持つように握る形。ラケットに初めて触る人が自然にやってしまう握りですが、クリアが奥まで飛ばず、バックにも持ち替えられないため、バドミントンでは基本的に使いません。まずここを直すのが上達の第一歩です。
パンハンドル一部の場面のみ
面を正面に立てて、ドアノブを回すように握る形。ネット前で浮いた球を速く下へ押し込むプッシュなど、瞬間的に使うことはありますが、常用すると面が寝てしまい強打が打てません。上級者が場面限定で使う握り、と覚えておけば十分です。
3.フォアとバックの持ち替え(グリップチェンジ)
試合でいちばん大事なのが、この持ち替え(グリップチェンジ)です。相手はフォア側にもバック側にも打ってきます。来た球に合わせてイースタン⇔バックハンドを一瞬で握り替えられるかどうかで、返せる球の幅が大きく変わります。
持ち替えはラケットをほんの少し回すだけ。フォア(V字が角)から1〜2面ぶん回して、親指を平らな面に当てればバック(サムアップ)に。ふだんはゆるく持つから一瞬で回せます。
- ふだんはゆるく握る:指でラケットを軽くささえる程度。ずっと強く握っていると持ち替えられません。
- 指の力を一瞬ゆるめる:親指・人差し指の付け根で、グリップを少しだけ回す(八角形の1〜2面ぶん)。
- 当たる瞬間だけ締める:握り替えたら、シャトルに当たる瞬間だけギュッと握り込んで力を伝える。
- すぐゆるめて次に備える:打ち終わったらまたゆるめ、次の球のフォア/バックに備える。
4.ショット別・どの握りで打つか
「この球はどの握り?」の早見です。細かく覚えなくても、フォア側=イースタン/バック側=サムアップが基本と押さえればOKです。
| ショット | 基本の握り | ひとこと |
|---|---|---|
| ハイクリア(フォア) | イースタン | 面を垂直に当て、高い打点で振り抜く |
| スマッシュ | イースタン | 当たる瞬間に面を下向き+握り込む |
| ドロップ/カット | イースタン | 同じ握り・同じ振りから力を抜く/切る |
| バックハンドクリア/ドライブ | バックハンド(サムアップ) | 親指で押して力を伝える |
| ヘアピン(ネット前) | 状況に応じてイースタン/サムアップ | やさしく差し出す。力を入れない |
| プッシュ(ネット前の押し込み) | イースタン〜パンハンドル | 浮いた球を前でコンパクトに下へ |
▶ それぞれのショットの打ち方・軌道・打点のコツは バドミントンのショット(打ち方)完全ガイド に、サーブの握りと打ち方は サーブのコツ(打ち方ガイド) にまとめています。あわせて読むと、握りとショットがつながって理解できます。
5.グリップの太さ・オーバーグリップの選び方
握りやすさはグリップの太さでも変わります。ラケットのグリップサイズはG4・G5などで表され、数字が大きいほど細くなります(バドミントンは細めが主流)。太さの目安は、握ったときに指先が手のひらに軽く触れるくらい。太すぎると持ち替えが遅れ、細すぎると余計な力が入ります。
オーバーグリップで微調整する
細いと感じたり、汗で滑る・手が痛い・マメができる場合は、オーバーグリップを巻いて調整します。大きく2種類あります。
- ウェットタイプ:表面がしっとりして手に吸いつく。フィット感重視の定番。多くの人はまずこれでOK。
- タオルタイプ:布地で汗をよく吸う。汗かきの人・夏場向け。厚めで太くなりやすく、こまめな交換が必要。
▶ ラケットやグリップテープ・シューズなどの用品は バドミントン用品の比較・選び方、はじめての一式は 初心者が最初に揃えるもの・費用ガイド を参考にどうぞ。
6.初心者がやりがちな間違いと直し方
- フライパン持ち(面を寝かせる)のまま:クリアが奥まで飛ばない最大の原因。→ 面を床と垂直に、握手するイースタンに直す。
- ずっと強く握っている:持ち替えできず手首も使えない。疲れる。→ ふだんはゆるく、当てる瞬間だけ締める。
- バックで親指を使えていない:バックが飛ばない・力が入らない。→ 親指を平らな面に当てて押すサムアップに。
- グリップを短く持ちすぎ/長く持ちすぎ:基本はお尻を少し余らせて握る。前衛やネット前では短く持つなど場面で調整。
- 握りの位置が毎回バラバラ:スイングが安定しない。→ 素振りで毎回同じV字を作る習慣をつける。
7.握りを身につける練習ドリル
| ドリル | ねらい |
|---|---|
| V字チェック素振り | 握る→面を確認→振る、を繰り返し「正しいイースタン」を体に覚えさせる。 |
| フォア⇔バック持ち替え素振り | 号令に合わせてイースタン⇔サムアップを交互に。持ち替えのスピードを上げる。 |
| 壁打ち(フォア・バック交互) | 返ってくる球に合わせて瞬時に握り替える。脱力と締めの感覚をつかむ。 |
| ノック(フォア奥→バック奥) | 左右に振られながら持ち替える実戦に近い練習。 |
| ゆる握り→締めドリル | ふだんゆるく持ち、当たる瞬間だけ握り込む力の入れ方を反復。 |
握りの練習で大事なのは、「今の一本は正しい握りで打てたか」を意識して振り返ること。ラリーが速くなるとつい握りっぱなしになりがちなので、練習や試合のあとに「持ち替えができていたか・力を入れすぎていなかったか」を思い出すと、直りが早くなります。
握りが安定したら、次は「どこに決まって、どこでミスしたか」を記録しよう。
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本記事は、バドミントンのスコア記録・分析アプリ「バドシート」を運営する TakeoriLab が、初心者〜中級者の上達向けに作成しています。握り方に唯一の正解はなく、手の大きさや利き手、レベルによって最適な微調整は変わります。まずは「フォア=握手(イースタン)/バック=親指立てて(サムアップ)」「ゆるく持って当てる瞬間だけ締める」という骨組みをつかみ、素振りや壁打ちで持ち替えを体に覚えさせていってください。握りが安定すると、すべてのショットが安定します。